アトツギ備忘録03:組織改革の失敗

従業員の意見を聞く

入社してすぐに、社内の状況を確認しようと従業員のみなさんとの会話の機会をたくさん持ちました。こちらもフラットに聞くことによって、様々な意見をもらいました。「現待遇が不満」「自部署ではなくて、他部署が悪いから、会社が悪くなっている」「現役員たちが嫌い」「昔はこうだったけど、今は出来ていない」「BtoB中心で、自社ブランドがない」など、様々な前向きな意見や不満をもらいました。

正直、話を聞きすぎて、あれもしなきゃ、これもしなきゃとどんどん自分が追い込まれていった気がしています。(実際、現在も追い込まれていますが)。会社組織はすぐには変わらないとわかっているものの、焦っている自分もいます。正直、インターネットで流れているアトツギの活躍を見て、自分の会社も動かないと!なんて、思っていたのも事実です。

組織のメンバーを変えてからの不協和音

そこで一番不満を漏らしていて、かつ動きそうな人の役職を上げ、変えなければならないと思う部署に異動させ、また、部署間のトレードもしました。そうするとまた新たな不満が生まれます。製造部から営業部のメンバーを入れ替えると、元製造部で営業部に移った人は、俺がいなくなってから、製造がおかしくなっている。昔はこういう風にやっていたのに、全て崩れている。一方、その逆の愚痴も発生しました。また、違うところでは、上がった人は成果を上げないとと思い、様々な管理指標を作り始め、新しい管理指標で人やモノを見ようとし始めます。

一見、前向きで良い感じがしていたのですが、Why do?が抜けていて、Do Whatが増えていくと、やらされ感が募り、どんどん人が離れていきます。そして、出来ていないことを他の部署のせいにし始めたら、もはや遅く、負のスパイラルに入っていきます。

急がなくていいと言っても、出来てないことに対して、部下のせいや、他部署のせいにして、言い訳がどんどん増えていく状況です。それに加え、新型コロナウィルスでの売上が大きく変動することで業績が悪化したこともあり、どんどん負のスパイラルに入っていきます。

売上減少→赤字拡大→環境のせい、人のせい→雰囲気が悪くなる→協力体制なくなる→さらに赤字が増えるという負のスパイラルです。

人を見るときの反省

現時点で負のスパイラルは続いており、なかなか抜け出せていないですが、組織改革をするときの反省は、1つの意見を鵜呑みにするのではなく、様々な意見をちゃんと網羅してから決定を下すことです。当たり前ですが、なかなか出来なかったのが反省です。従業員と話した上でこの人だと思って、こうすべきだと言ったことを鵜呑みにして、やらせてみたものの、実はその人は会社内でいろいろ動かす権力が欲しかっただけというのが、どんどん見えてきて、おかしくなっていく。

その意見が正しいのか?何を目的で言っているのか?本当にそうなのか?数字でも正しいのか?など、ざっとでも良いので自分の目で見て、判断、決定をし、自分の口からこうするためには、こういう組織にする。(または、組織にした)と、社内も社外も説明できるようにならなければ、例え、失敗したと思ったときにも、変化させるのにまた力を使うことになるということがよくわかりました。

まとめ

どんな組織や改革でも不満や不協和音が生まれるものの、自分の目で確かめて、自分の口でやりたいことを発言できるようにならなければ、自分の中でも弱さが出てしまいます。弱さというのは、「あの人の意見を採用してみただけだ」「社長がこう言っていたから、やりました」的なことです。

どんな決断も自分で腹落ちしなければ、実行してはいけないというのがよくわかりましたし、ましてや組織改革というのは、熟慮に熟慮を重ねた上でやったほうが良いことがよくわかりました。

正直、今回こうやってブログを立ち上げたのは自分への戒めでもあります。人は同じことを繰り返し、初心を忘れてしまうので、こうやって文字に起こして、忘れないようにしたいと思う次第です。

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